2015年8月30日日曜日

岳人9月号

先月の富山トライアスロンのラン

久しぶりに雨降りの週末。天気が良ければ牛岳でも、と思っていたが朝から雨なのでテレビで世界陸上の女子マラソンを観戦した。
 さて、「山と渓谷」に並ぶ日本の代表的な登山専門誌「岳人」の発行元が去年9月号からモンベルに変わって内容も様変わりした。以前はよく購読していたのだが、モンベル版になってからは、しばらく買っていなかった。が、今年9月号の特集は「離島の山旅」となっており、面白そうだったので購入して読んでみた。
 以前の岳人誌は、登山愛好者向けに特化した内容だったのが、モンベル版となってからは、登山だけでなく広く自然愛好家向けの雑誌を目指しているようだ。例えば今月号の執筆者に、八丈島の記事で椎名誠、夢枕獏のエッセイ、生態学者の山極寿一氏が入っているのは以前では考えられない。旧来の登山觀では、低い山より高い山、易しい山より困難な山登りに価値を求める傾向があったが、これでは今の若い人は誰も登山など始めない。営業的には正しい方向転換かと思う。
 拾い読みして面白かったのは、サバイバル登山家の服部文洋氏の記事「(運動の)才能とはいったいなんのか」。服部氏は現在46才、数年前に登山のトレーニングの一環として陸上競技を始め、最近800メートル走で年齢別の日本チャンピオンになった。自分の金メダルは「偽もの」であるとしつつ、なぜ一番になれたかその理由を考察している。
140才を過ぎて「全力ダッシュ」が出来る人は少ない。
2)若いときにくらべて遅くなっていない。
3800メートル走は競技人口が少ない。
4)負けず嫌い。
 2は、服部氏がこれまで登山を続けてきたおかげであり、このうち才能と言えるのは4だけである。それに加えて、出世や年収アップに興味がなく、仕事に人生を削られていないことが大きい、と云う。続けて、人より早く走るのに必要な才能とは何かというと、早筋と遅筋のバランス、筋肉量(と体のサイズのバランス)、関節の柔軟性、運動神経、心肺機能を挙げている。しかし、氏が40才以上の年齢別で一番になれたのは、これらの才能を満たしていたからでなく、基本的に健康でトレーニングを続けられ、試合で能力を最大限発揮出来たことが理由だと結論している。さらに、我々一般ランナーの走りを見ていると「サイドブレーキが掛かったまま」走っている人が多い。効率よく走るためにはフォームが大切で、具体的には
a)腕をたたんで同じ軌道で大きく振る。
b)骨盤をやや前傾させて背筋を伸ばし肩甲骨を寄せる(胸を張る)。
c)お腹とお尻にクッと力を入れ上半身をブレさせないようにする。
 私の場合、トライアスロンの3種目でランが最も苦手、タイムが極端に遅く、苦痛も大きい(かといって他の二種目が他の人に比べ早い訳ではないが、苦手意識は無い)。子供のころから走るのが遅く、学校のマラソン大会では何時も最下位争いだったので、走る事にかんしてはマイナスの才能があるように思っている。今朝観戦した女子マラソンで優勝したのはエチオピアの選手、日本人では伊藤舞選手の7位が最高で、タイムは2時間半弱。キロ三分半、5キロ18分弱のペースである。映像で見ると楽に走っているように見えるが、5キロ走でなかなか30分を切れない私からすると想像出来ないほど早い。で、昨晩プールに行ったとき、もしやと思い、服部氏のacの指摘を肝に命じてランニングしてみた。口から心臓が飛び出すほど必死で走ったものの5キロ3020秒(トホホ)。トライアスロンもヒルクライムも他人とのタイム差や順位を気にする事無く健康第一、末永く楽しみたいものである。


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